料理の理念 2023-04-14 22:41:02 本日はコース料理の焼き物にサワラの幽庵焼きをご提供させて頂きました。抜群の脂のりで最高の食材でした。ここで末木の料理の理念についてお話させて下さい。少し長くなりますがご容赦ください。はじめに本日の焼き物に使わせていただいた食材。魚へんに春と書いた鰆(サワラ)です。旬が春だからそう名付けられたそうです。ですが4月中旬の現在もう名残の食材となりました。本日の鰆は、浜で水揚げされた250本から厳選された15匹の中の1匹になります。このような素晴らしい食材を用意してくださる魚屋さんには頭が上がりません。ここ数年は温暖化などの影響もあり様々な食材の旬が早まっていると感じております。しかし自然には人間の作った暦など関係なく時は流れていきます。逆らわずに今ある最上のものを使わせて頂きます。なので、末木では決まった献立はございません。月替わり等の決まった献立ですと突然旬が終わってしまったり天候や海の状況などで良品が仕入れられなくても決まったものを出さなければなりません。またそのような状況ですと、普段よりも質が低いのに仕入れ値は高くなることがあります。食材の品質の差は料理の質に大きな差として出てきてしまいます。同じ金額をいただいているのに日によって料理の質に差が出ます。仕方ないと言えばそれまでです。しかし、末木はそれを良しとはしません。何日、何週間、何ヶ月も前からご予約してくださるお客様には最高のおもてなしをしたいのです。どのような状況でも可能な限り美味しい料理を出す努力を致します。市場に通い、魚屋さんと密に連携することで何か素晴らしい食材を必ず手に入れます。その何かは本当にわかりません。秋が旬の食材が突然春に1匹だけ極上の個体となって仕入れることだってあります。そのような素晴らしい食材を使ったりするためにも献立は決めていないのです。そんな出会いは中々ありません。絶対に逃したくないのです。末木では最大限美味しい料理をご提供できるよう努力することをお約束致します。当日の献立是非お楽しみにして下さい。最後まで読んでいただき誠にありがとうございました。